浸水しなくても玄米をおいしく炊ける驚きの時短ワザ、びっくり炊きをご紹介します。
家にある鍋や炊飯器で炊く方法、味や食感など炊き上がりの実際をまとめました。
簡単に炊けるので、玄米初心者さんにもおすすめの炊き方です。
びっくり炊きとは
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「玄米は硬いから苦手」「長時間水につけておくのが面倒」と思ったことはありませんか?
びっくり炊きなら、浸水せずにふっくらおいしい玄米ごはんを炊くことができます。
そもそもびっくり炊きとはどんな炊き方なのか、まずは特徴やメリットをまとめました。
びっくり水を差して炊く
びっくり炊きは玄米を炊いている途中で水を差し、二度炊きする方法。
米どころ秋田で江戸時代から伝わるという炊き方です。
理屈はお豆や麺類をゆでる際に差し水(びっくり水)をするのと同じで、その玄米バージョンがびっくり炊き。
びっくり水を差して炊くから「びっくり炊き」というわけです。
浸水時間ゼロでも炊ける
びっくり炊きのメリットは浸水なしでも炊けること。
通常6~12時間とされる給水時間がゼロなので、思い立ったらすぐ炊き始められます。
「できるだけ手間をかけずに炊きたい」
「今すぐ炊きたい」
「うっかり水につけておくのを忘れた!」
という人は、覚えておくと便利な炊き方です。
鍋でも炊飯器でも炊ける
びっくり炊きはもともと鍋で炊く方法ですが、炊飯器でも炊けます。
炊き方はどちらの場合も途中で一度差し水をするだけ、複雑な工程はありません。
特に、炊飯器で炊くとあまりに簡単で、違う意味でびっくりするかも!?
玄米に対するハードルが一気に下がること請け合いです。
炊き方1:鍋や土鍋でびっくり炊き
それでは早速炊き方をご紹介しましょう。まずは鍋から。
鍋は普通の鍋でも土鍋でも、蓋ができるものなら何でもOK。
できるだけ厚手のものがおすすめです。
ちなみに、今回はアルミの両手鍋(KING無水鍋)で炊きました。
下準備
① 玄米はさっと洗い、ザルに上げて水を切る
白米と違い、玄米は2~3回洗えば十分です。
炊き方
1回目炊飯
① 鍋に玄米を入れ、玄米の1.2~1.5倍の水、ひとつまみの塩を加える
塩を加えると玄米特有の匂いや苦みがやわらぎ、吸水性も上がります。
② 蓋をして火にかける。火加減は最初は中火
③ 沸騰したら吹きこぼれない程度に火を落とし、20~30分炊く
火加減は強めの弱火~弱めの中火あたりで落ち着くことが多いです。
吹きこぼれるようなら強すぎます。
2回目炊飯
④ 水分がなくなったら、玄米の1.0~1.2倍の水を加える
心配なら蓋をあけてOK。
見た目「炊けている」状態になっていれば大丈夫。
⑤ 全体を軽く混ぜたら蓋をして、中火で再度沸騰させる
⑥ 沸騰したら火を落とし、水分がすっかりなくなるまで弱火で15~20分炊く
わかりにくいですが、写真はまだカニ穴から水蒸気が出ている状態。
もう少し炊きます。
⑦ 最後に10秒ほど強火にして蒸気を飛ばし、火を止める
⑧ 10分蒸らしてできあがり!
おいしい炊きあがりのサインは「パチパチ・チリチリ音がする」「香ばしい匂いがする」。
「そんなのわからないよ~」という場合は、蓋を開けて様子を見ても構いません。
経験上「そろそろかな」という状態から、「気もちもう数分火にかける」ぐらいでちょうどいいです。2、3回やればコツがつかめますよ!
炊き方2:炊飯器でびっくり炊き
次は炊飯器を使った炊き方です。
玄米モードのない炊飯器でも問題なし。
いつもの炊飯モードで炊いてみて下さい。
今回は加圧式玄米専用炊飯器(なでしこ健康生活)で炊きました。
下準備
① 玄米はさっと洗い、ザルに上げて水を切る(鍋・土鍋の項参照)
炊き方
1回目炊飯
① 炊飯器の内釜に玄米を入れ、玄米の1.1~1.5倍の水、ひとつまみの塩を加える
玄米用の目盛りがついている場合はそれに従ってください。
② 通常の炊飯モード(白米モード、早炊きモードなど)で炊く
玄米モードでももちろん炊けますが、製品によっては浸水工程まで含むものも。
詳しくは取扱説明書をご確認ください。
2回目炊飯
③ 炊きあがったら蓋をあけ、玄米の0.8~1.2倍の水を加える
④ 全体を軽く混ぜたら蓋をして、1回目と同じモードで再度炊く
⑤ 炊飯終了後、10分蒸らしてできあがり!
炊飯器で炊く場合、びっくり水の量は鍋より少なめ。
玄米と同量(1.0倍)を基準に、好みで増減(0.8~1.2倍)してください。
ちなみにわが家の炊飯器の場合、1.0倍ではやや水っぽく、0.8倍でちょうどよかったです。
びっくり炊きの炊きあがり――味は?食感は?
「玄米を浸水なしで炊いたら硬いのでは?」「本当においしいの?」と思われた方もいらっしゃると思います。
どんな炊きあがりなのか、気になるところですよね。
実際に鍋や炊飯器で炊いた結果をご紹介します。
予想以上に柔らかい炊きあがり
まず柔らかさについては、浸水なしとは思えないほど柔らかく炊けています。
味はというとあっさり、さっぱり。
また差し水効果で食感は軽く、ふっくら、ふわふわしています。
ちなみに鍋と炊飯器で炊きあがりが違うかというと、特に差は感じませんでした。
ただ鍋だと炊飯時間を調整できるので、柔らかさの調整もしやすいといえます。
また炊飯器は「白米モード」と「早炊きモード」の2種類炊いてみましたが、これも特に差はありませんでした。
クセがなく食べやすい
全体的に玄米の存在感というかクセが薄れ、非常に食べやすいです。
どちらかというと白米に近い食感で、ぱくぱく食べてしまうほど。
このあたりは人によって好みが分かれるところかもしれません。
個人的には玄米らしい粒感のある炊きあがりが好きで、ふだんはしっかり浸水させ時間をかけて炊いていますが、これはこれで「あり」。
浸水なしでここまで炊けるなら、急ぎの時は使わない手はないと思います。
実は玄米初心者さんにもおすすめ
時短な点が注目されるびっくり炊き方ですが、家にある鍋や炊飯器で気軽にトライできる、クセがなく食べやすいという点で、実は玄米初心者さんにもおすすめしたい炊き方です。
玄米を食べ慣れていない人、玄米は硬そうで抵抗がある人、試しに炊いてみたい(けれど手間はかけたくない)という人は、びっくり炊きから入るのも一案だと思います。
まとめ
浸水不要、思い立ったらすぐ炊けるのがびっくり炊きのよさ。
時短で簡単に炊けるのに、炊きあがりは思いのほか柔らかく、とても食べやすいです。
びっくり水を差す工程も、ちょっとした実験気分で楽しめます。
よかったら試してみてくださいね。
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