玄米とはどんなお米なのか、白米とどう違うのか、8つのポイントからご紹介します。
精米から炊き方、賞味期限まで、玄米と白米の違いをくわしく解説しています。
白米との違いがわかると、玄米に合ったおいしい炊き方がわかり、もっと楽しめるようになりますよ!
白米との違いから玄米を知る
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日本人の主食、お米。
お米といえば白米ですが、最近は玄米に対する関心も高くなっています。
とはいえ、玄米とはどんなお米なのか、白米とどう違うのか、よくわからないという人も多いのでは。
白米とはお米の種類が違うの? 栽培方法が違うの?
いえいえ、たとえばコシヒカリの玄米もあればコシヒカリの白米もあるように、種類や栽培方法は同じです。

では何が違うのでしょうか。
この記事では、玄米と白米の具体的な違いを、8つのポイントからくわしく解説していきます。
これだけは知っておきたい|玄米と白米8つの違い
玄米と白米の違い1:精米の有無
玄米と白米の根本的な違い、それは「精米してあるか、してないか」です。
精米とは玄米の表面を削り、ぬか層や胚芽(はいが)とよばれる部分を取り除く工程をいいます。

玄米はまったく精米していないお米で、白米(精白米)は完全に精米したお米です。
玄米と白米の違い2:お米の状態
では、精米のあるなしでお米の状態はどう変わるのでしょうか。

収穫した稲の実は、硬い籾殻(もみがら)に覆われています。
玄米は稲の実から、このもみ殻だけを取り除いた状態です。
まったく精米していないので、お米の本体である胚乳(はいにゅう)のほか、ぬか層や胚芽も残っています。
玄米のあの茶色っぽい色はぬか層の色。
ぬか漬けで使われる、米ぬかの色ですね。
一方、白米は玄米の表面を削って、ぬか層や胚芽を完全に取り除いた状態です。
胚乳だけになった白米は、真っ白な色をしています。
玄米と白米の間には、分づき米とよばれる状態もあります。
精米の際にぬか層や胚芽をある程度残したもので、精米の度合いによって3分づき、5分づき、7分づきなどがあり、数字が大きいほど白米に近くなります。

玄米と白米の違い3:栄養
玄米の方が白米より栄養価は高いです。
これは当然といえば当然で、精米していないぶん、ぬか層や胚芽の栄養も残っているからです。
白米の栄養が糖質(炭水化物)中心なのに対し、玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含み、栄養バランスも優れています。
ちなみに、お米100グラムあたりのカロリーは白米が168キロカロリー、玄米が165キロカロリーで、カロリーに大きな差はありません。
玄米と白米の違い4:炊き方
精米していない玄米と精米してある白米では、炊き方も違います。
それぞれ具体的にみていきましょう。まずは研ぎ方から。
炊き方の違い①研ぎ方


玄米と白米では、研ぎ方が違います。
白米を研ぐと水が白く濁りますよね。
あれは精米で残ったぬかや、お米のデンプンが溶けだしたもの。
そのため水を何度か取り替えながら、濁りがある程度なくなるまでていねいに研ぐ必要があります。
一方、玄米は精米していないので、水がほとんど濁りません。
お米の表面についた汚れをさっと洗えば十分です。
炊き方の違い②浸水時間

玄米の方が白米より、浸水させるのに時間がかかります。
玄米は表面をぬか層で覆われているため水を吸いにくく、6~12時間かけてじっくり浸水させる必要があります。
これに対し、精米された白米は吸水が早く、30分~1時間も水に漬ければ十分です。
炊き方の違い③水加減

玄米を炊く時は、白米より水の量は多めにします。
一般的に、白米を炊く場合の水加減はお米の1.1~1.2倍とされています。
これに対し、玄米の水加減は1.1~1.5倍がめやすです。
炊き方の違い④炊飯時間
ぬか層に覆われた玄米は、白米より炊くのに時間がかかります。
調理道具にもよりますが、白米は30~60分ほどで炊けるのに対し、玄米は40~90分ほど必要です。
玄米と白米の違い5:味・食感、食べやすさ

炊きあがったごはんの味や食感、食べやすさはどう違うでしょうか。
まず、食べやすいのは圧倒的に白米でしょう。
炊きたての白いごはん、おいしいですよね~。
ふっくら柔らかく甘みがあって、食感はあくまで軽く、癖がないのでどんなおかずとも合います。
一方、玄米は味も食感もひと癖あり。
独特の香ばしい味や香り、ぷちぷちの食感、外皮が時として舌に残る感じなどは、私自身は結構好きですが、人によって好みが分かれるところかもしれません。
玄米もポイントさえおさえれば柔らかく炊けますが、それでも白米に比べると噛みごたえがあります。
玄米と白米の違い6:消化と腹もち
消化のよさと腹もちのよさは表裏一体です。
柔らかい白米は消化がよく、胃腸に負担がかかりません。
これに対し、玄米は消化がゆっくり。
おのずとよく噛んで食べることになりますが、そのぶん腹もちはいいといえます。
玄米と白米の違い7:水につけたら芽が出る?

玄米を水につけておくと、胚芽の部分から芽が出ます。
いわゆる発芽玄米ですね。
つまり、玄米は食べ物であると同時に種でもあるのです。
一方、白米は精米により胚芽が削り取られているため、水につけても芽は出ません。
玄米と白米の違い8:賞味期限
同じ条件であれば、玄米の方が白米より長く保存できます。
白米は精米直後から酸化が始まり、味も落ちていきます。
冷暗所であっても、おいしく食べられるのは1~2カ月が限度です。
一方、玄米は精米していないので酸化しにくく、3~6カ月くらいは保存がききます。
まとめ

以上、玄米と白米の8つの違いをご紹介しました。
玄米を白米と同じように炊いてもパサパサだったり硬かったりで、おいしくは炊けません。
その理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。
ご参考までに、両者の違いを改めて表にまとめました。
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
精米 | 精米していない | 完全に精米してある |
お米の状態 | 胚乳+ぬか層・胚芽 | 胚乳のみ |
栄養 | 白米より栄養豊富 | 糖質中心 |
炊き方 研ぎ方 浸水時間 水加減 炊飯時間 | さっと洗えばOK 6~12時間 米の1.1~1.5倍量 40~90分 | ていねいに研ぐ必要あり 30分~1時間 米の1.1~1.2倍量 30~60分 |
味・食感、食べやすさ | 独特の香ばしさや噛みごたえ | 癖がなく食べやすい |
消化・腹もち | 腹もちがいい | 消化がいい |
水につけると発芽するか | 発芽する | 発芽しない |
賞味期限 | 3~6カ月 | 1~2カ月 |
白米とはいろいろな点で違うからこそ、玄米に合ったやり方でおいしく食べたいもの。
本サイトでは、調理道具別に玄米のおいしい炊き方もご紹介しています。
普通の鍋で炊く方法は こちら
土鍋で炊く方法は こちら
炊飯器で炊く方法は こちら
圧力鍋で炊く方法は こちら
フライパンで炊く方法は こちら
これらの記事も参考に、是非おいしい玄米ごはんを楽しんでくださいね!
わが家には圧力鍋・鍋・土鍋・炊飯器があって、季節や気分に応じて使い分けていますが、玄米の炊飯時間はいずれも40~50分といったところ。
白米と比べてものすごく時間がかかる、というほどではありません。
実際、火加減を強めにすれば、もっと短かくすることも可能です。
とはいえ、いろいろ試してみて、玄米はある程度時間をかけ、ゆっくりじっくり加熱した方が柔らかくおいしく炊ける、と結論するに至りました。