【まとめ】発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米、酵素玄米|自分にぴったりの玄米は?

玄米とは

栄養価が高い玄米を、もっと簡単・気軽に炊けて食べやすくした「新しい玄米」が注目されています。
この記事では発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米、そして酵素玄米について、それぞれの特徴やデメリットをご紹介。
さらに、栄養価・炊きやすさ・食べやすさ・価格の4項目についても検証しました。
自分に合った玄米をみつけるための、参考になれば幸いです。

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玄米とは

※この記事は一部広告を含みます

最初に、玄米とはどんなお米なのか簡単に整理しておきましょう。

玄米は収穫した稲の実から、硬いもみ殻だけを取り除いた状態のおです。
まったく精米していないので、お米の本体である胚乳(はいにゅう)のほか、ぬか層や胚芽も残っています。
ちなみに、白米(精白米)は完全に精米して、胚乳だけになった状態のお米です。

玄米の特徴は、何といってもその栄養価の高さ
ぬか層や胚芽が残っているぶん、白米に比べビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含み、栄養バランスも優れています
その一方で、ぬか層は硬くて水を吸いにくいため、「炊飯に時間がかかる」「食べにくい」「味や食感にクセがある」などのデメリットも。

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発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米、酵素玄米とは

最近では高い栄養価はそのままに、白米と同じように炊けて食べやすく、かつおいしくなるよう工夫した玄米が登場しています。
それが発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米、酵素玄米です。

このうち発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米は、玄米を加工したお米です。
これに対し酵素玄米は、炊いた玄米を保温して熟成させたごはんをいいます。
1つずつ特徴やデメリットをみていきましょう。

発芽玄米

玄米を水につけ、わずかに(5mm程度)発芽させたお米です。
発芽させることでさまざまな酵素が活性化し、もともと高い玄米の栄養価がさらにアップ。
さらに、酵素の働きで甘みやうまみが増すほか、外皮が柔らかくなって食べやすさも向上します。

特徴とデメリット

・洗米:とがずに炊ける商品が多い
・浸水:30分~1時間(浸水不要の商品も)
・炊飯:炊飯器の白米モードで炊ける

・炊きあがり:柔らかく食べやすい、ふっくら・もちもち
・味や食感:玄米らしい味わいや香り、食べごたえが感じられる
・白米と混ぜて炊ける
・栄養価:GABAなどの栄養価は普通の玄米より高い
・家庭で作ることもできる

・普通の玄米(1kgあたり500円台~)より割高(1kgあたり700円台~)

ロウカット玄米

玄米の表面、ぬか層の一番外側にあるロウ層だけを、均等にカットした(削った)玄米です。
正式には金芽ロウカット玄米といい、東洋ライスというメーカーの商品です(「ロウカット」は東洋ライスの登録商標)。
ロウ層をカットしたことで吸水性がよくなり、炊きやすさ・食べやすさが格段にアップ。
白米感覚で炊ける・食べられる玄米です。

引用:東洋ライス公式サイト(https://www.toyo-rice.jp/genmai/)
特徴とデメリット

・洗米:とがずに炊ける
・浸水:1時間
・炊飯:炊飯器の白米モードで炊ける


・炊きあがり:柔らかく食べやすい、ふっくら・しっとり
・味や食感:クセがなく、あっさり。白米感覚で食べられる
・白米と混ぜて炊ける
・栄養価:普通の玄米とほぼ同じ

・普通の玄米より割高(1kgあたり700円台)

無洗米玄米(ぬか層を加工したタイプ)

ぬか層の表面(≒ロウ層)を加工して(例:削る、細かい傷をつける)、とがなくても炊けるように仕上げた玄米です。
大まかにはロウカット玄米と同じタイプのお米ですが、「ロウカット」は東洋ライスの登録商標のため、「無洗米玄米」「やわらかい玄米」「クイック玄米」などの商品名がついています。

ぬか層を加工してあるので吸水性がよく、炊きやすさ・食べやすさが格段にアップ。
白米のような感覚で炊ける・食べられる玄米です。

特徴とデメリット

・洗米:とがずに炊ける
・浸水:30分~1時間
・炊飯:炊飯器の白米モードで炊ける

・炊きあがり:柔らかく食べやすい、ふっくら・しっとり
・味や食感:クセがなく、あっさり。白米感覚で食べられる
・白米と混ぜて炊ける
・栄養価:普通の玄米とほぼ同じ


・普通の玄米より割高(1kgあたり700円台~) 

酵素玄米

玄米を炊き、数日~1週間ほど保温して、熟成させた玄米ごはです。
「発酵玄米」「寝かせ玄米」ともよばれます。
日が経つごとに熟成が進み、柔らかくもちもちの食感になります。
味わいも深くなり、3~4日目あたりが最もおいしいといわれています。

炊きあがり直後
保温2日目
保温3日目
特徴とデメリット

・洗米・浸水・炊飯:普通の玄米と同じ(小豆や塩と一緒に炊くことが多い)
・栄養価:普通の玄米と同じ

・熟成が進むにつれ食べやすさ、おいしさが増す
・一度炊けばいつでも温かい玄米ごはんが食べられる

・保温しながら1日1回かき混ぜる必要がある
・保温中は炊飯器が使えない
・保温のための電気代がかかる

そのほかのお米:分づき米、胚芽米とは

玄米ではありませんが、玄米ぽい見た目や名前のお米についても、簡単にご紹介しておきますね。

分づき米

ぬか層や胚芽をある程度残して精米したお米です。
精米の度合いによって3分づき、5分づき、7分づきがあり、数字が大きいほど白米に近くなります。

引用:JAグループ「お米の種類と栄養


5分づきが玄米と白米のちょうど中間あたり。
精米度合いが大きい(=白米に近い)ほど炊きやすく、食べやすくなる一方で、栄養価は低くなります。

胚芽米

玄米を部分的に削って、ぬか層は取り除き、胚芽は8割以上残したお米です。

硬くて水を吸いにくいぬか層がないので、白米と同じように炊くことができます。
味も食感も白米に近く、食べやすい点も特徴です。
栄養価は玄米より低いですが、胚芽が残してあるぶん、白米よりは高くなります。

自分にぴったりの玄米は?|それぞれの違いを4項目で検証

ここでは加工米である発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米について、栄養価・炊きやすさ・食べやすさ・価格の4項目で検証しました。
自分に合う玄米をみつけるための、参考にしてください。

栄養価

どの玄米も、普通の玄米と同じように栄養価は高いです。
なかでも発芽玄米は、酵素の働きでGABA(天然アミノ酸の1つ)が普通の玄米の3倍に増え、またカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが吸収されやすくなっています。

玄米の栄養を十二分に、かつ効率よく摂りたいという人には、発芽玄米がおすすめです。

炊きやすさ

どの玄米も、普通の玄米に比べはるかに炊きやすいです。
ロウカット玄米と無洗米玄米はとがずに炊け、また発芽玄米もその多くが無洗米タイプです。

炊き方は、基本的に白米と同じ。
浸水時間は30分~1時間で、なかには浸水不要の商品も。
炊飯は普通の炊飯器の白米モードでよく、もちろん鍋や土鍋でも炊けます。

このように、炊きやすさはどの玄米もほぼ同じ。
しいていえば、無洗米かつ浸水不要の商品は、思いついた時にすぐ炊けて時短にもなるので、おすすめです。
たとえば、無洗米玄米の「ヤマトライス やわらかい玄米」はこのタイプです。

食べやすさ

どの玄米も炊きあがりは柔らかく、普通の玄米に比べはるかに食べやすいです。
そのうえで違いをあげるなら、次のようになります。

・発芽玄米:柔らかい中にも玄米らしい食感や食べごたえがある(クセというほど強くはない)
・ロウカット玄米・無洗米玄米:白米に近い柔らかさと食感で、クセがない

白米感覚で食べたいならロウカット玄米や無洗米玄米、玄米らしさを味わいたいなら発芽玄米がおすすめです。

価格

どの玄米も、加工してあるぶん普通の玄米より割高になります。
価格は加工の内容やお米の銘柄などによってまちまちですが、めやすとしては「普通の玄米より1kgあたり約100~200円割高」といったところ。
なお、どの種類の玄米が特に高い・安いということはありません。

玄米生活を続けるうえで価格はもちろん重要ですが、これらの玄米を利用することで浸水や炊飯の手間や時間は大幅にカットできます。
トータルで考えれば、普通の玄米と大きな差はないともいえるでしょう。
また好みの商品がみつかったら、まとめ買いするなどして価格を抑えることも可能です。

まとめ

発芽玄米、ロウカット玄米、無洗米玄米は、いずれも白米と同じように炊飯器で簡単に炊け、炊きあがりはふっくら柔らか。
玄米初心者さんや、「玄米は食べたいけど時間や手間はかけたくない・かけられない」という人にぴったりです。

どの種類の玄米がいいか決めかねる場合は栄養価(→発芽玄米)、食べやすさ(→玄米寄りなら発芽玄米、白米寄りならロウカット玄米や無洗米玄米)、買いやすさ(→価格や送料の有無)といったポイントで選んでみてはいかがでしょうか。

一方、炊いた玄米を保温・熟成させた酵素玄米は、炊きたての玄米ごはんとはまた違った食感と味わいが楽しめます。
まとめてたくさん炊けば、数日~1週間は温かい玄米ごはんがいつでも食べられます。

高い栄養価はそのままに、毎日の生活に取り入れやすい「新しい玄米」。
うまく利用すれば、玄米生活のハードルがぐっと下がること請け合いです。

よかったら試してみてくださいね。